ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 ピアノメドレー
新作、投稿させていただきました。選曲の理由等も含めて、記録に残しておこうと思います。
- タイトルデモ(クロックタウン)
- タルミナ平原
- 呪われた4つの地のモチーフ
- 時計塔(いやしの歌)
- 最期の夜 深夜0時の鐘
- 終末
- 巨人4人集合〜誓いの号令
- タイトルデモ(クロックタウン)
最終的な曲順は上記の通りとなりましたが、構想段階では下記の通りでした。
- タイトルデモ(クロックタウン)
- タルミナ平原
- 呪われた4つの地のモチーフ
- デクナッツ城
- ロックビルの神殿
- ボス戦〜勝利
- 時計塔(いやしの歌)
- 最期の夜 深夜0時の鐘
- 終末
- 巨人4人集合〜誓いの号令
その他、戦闘曲として中ボス戦闘、各地のダンジョン曲、オカリナメロディ等も候補に上がりました。しかし、全体を俯瞰したときに、やはり深夜0時の鐘の音と、そこから月が落ちるまでのシーンが象徴的であるため、クロックタウン外の諸々のシーンを割愛し、前述の曲順に落ち着きました。
クロックタウン内に焦点を当てるのであればタルミナ平原等を削るという案も考えられましたが、メインテーマまでも省略してしまうのもはばかられたため、残すことにしました。結果的に最後の誓いの号令にもメインテーマが断片的に現れ、有機的なつながりが生まれたともいえるかもしれません。
各曲について
クロックタウンの曲は3日それぞれのヴァージョンがありますが、今回はタイトルデモ版を取り上げました。ご存じない方は是非上の映像を観ていただきたいのですが、このタイトルデモはのどかな音楽から最後に一気に不穏な世界観に突き落とされる衝撃が肝ですから、演奏する上でもその落差を出すことを第一に考えています。
「太陽の歌」のモチーフである夜明けの音楽をはさんだのち、タルミナ平原に遷移します。ゼルダの伝説でお馴染みのメインテーマでありながら、最後の不穏な部分が少し拡大されているのがいかにもムジュラといったところ。呪われた4つの地(沼、山、海、谷)を割愛しきれず、名残として4つの地のモチーフのみ残った形です。投稿動画の説明文にも書きましたが、この辺りの楽曲群はまた機を見てまとめたいですね。なかにはいよいよピアノでの再現が厳しい曲もありますが(ウッドフォールやグレートベイなんてどうすれば良いんでしょう)。
ムジュラのオカリナメロディのなかでも人気の高い「いやしの歌」ですが、今回は時計塔で流れる版を基にしています。後半の盛り上がりを少し熱を込めた演奏にしています。最後はわかりにくいですが仮面を入手したときのファンファーレ。
ムジュラのすべてが凝縮されている、最期の夜のシーン。「終末」の悲愴的な音楽に、地響きの音と、延々と鳴り続けるクロックタウンの鐘の音。この瞬間に、いろいろなキャラクターが、いろいろなことをしている。生に執着する者、逃げる者、残る者、待ち続ける者。人生をあらゆる角度から切り取って詰め込んだようなこのシーンに対しては、ただ想いの丈を詰め込んで演奏することしかありません。鐘の音は、単に旋律楽器のように耳コピして弾いても今ひとつそれっぽくならなかったので、音の高さとしてはゲーム内とは違う音階で弾いています。グランドピアノで音をグワンと鳴らしながらペダルで濁らせることで、少しだけこのシーンの音像に近づけたかもしれません。
ムジュラの仮面のエンディングでは最終的にタルミナが救われ、ダル・ブルーの演奏でスタッフロールが流れる割合明るいラストなわけです(そういえばタルミナを抜けた後の森の曲も弾きたいですね…キリがないですね)が、今回のメドレーでは巨人の集合と誓いの号令をラストとしました。悲しげで退廃的で、でもどこか優しさも感じられる巨人のテーマ、好きな曲なのですがなかなか取り上げられる機会がないので。急遽思いついたメインテーマとのミックスが相乗効果を生み出している…と良いのですが。先ほどまで鳴り続けていた鐘の音のような、しかし明るい音色をもう一度鳴らし、メドレーを閉じます。
終わりに
今回の演奏で原作を知らない方が少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。なかなか癖のあるゲームですが(自分はプレイ時なかなかクロックタウンから外に出られなかった)、そういうゲーム性やダンジョンの作り込みもさることながら、やはり三日間という限られた時間の中にこれでもかと詰め込まれたキャラクター達のドラマは目を見張るものがあります。そういう意味では人生をある程度経た後の方が、感じるものは大きいのかもしれません。