liberty 2
    New Album "COMFORT 2" 2023/4/30 release


2012年総括


実家近辺にて、夕刻。この時間の雪景色は白というよりも少し青みがかったような独特の色合いになります。そしてナトリウム灯のオレンジが点き、夜になると黒とオレンジに染まるのが自分にとっての原風景のようなものです。
今年は特に後半に音楽活動が集中し、北海道での年越しも半ば抜け殻のような状態となっています。来年も1月からいろいろと動き出すので、今はこれくらいで丁度良いのかもしれません。

今年やったこと

3月 EGGMAN TOKYO EASTにてライブ(打楽器とコラボ)
4月 アルバム『MOVE』iTunes Store等で配信販売開始
5月 例大祭9にて『TOHO MUSIC BOX――オルゴールで聞きたい東方の名曲25選』頒布
7月 ZINC浅草にてライブ(打楽器とコラボ)
8月 C82にて1曲アレンジ参加(Dolce Voceさん新譜『東音〜SYMPHONIC SUITE《 東方神霊廟交響組曲 Orchestral Arrangement 》』)
9月 四谷天窓.comfortにてライブ(ギター、ヴァイオリンとコラボ)
10月 M3-2012秋にて新譜シングル『Float Emotion』頒布
11月 ミュージカル・グループMono-Musica第八回公演「花廻りの鬼-魍魎薬師白夜奇譚-」編曲として参加
12月 VUTTERリアル生放送第1回 開催


昨年の歌やケーナとのコラボに引き続き、今年は打楽器や、後述のギター、ヴァイオリンとのコラボを試みました。
特に打楽器については自分の中でもしっくりと来る組み合わせだったのか、長年合わせていたような感覚もあって。今年になって始めたとはちょっと驚くくらいです。曲によって表情は違いますが概ね相性の良い曲が多いので、ライブを中心に今後もいろいろ試していきたい編成です。

ドラムスとのセッションを行ったZINC浅草。10月のM3で新譜シングルとして出した「Float Emotion」の初演の場でもありました(今にして思えば物凄いハイスピードな演奏でした!)。
9月の四谷天窓.comfortライブでは、くりっちさん(栞)ギターと竹やんさんヴァイオリンによる「192」のコラボ等を実現することができました。ミニマムIMERUATのような編成を試せたのは、こういった曲を今後も書いていきたい自分にとって将来の展望を感じさせるムーヴメントになったと思っています。

あと10〜12月にかけては映画やミュージカルの音楽制作に追われていました。特に映画については、最終的に提出した曲数はオリジナル・アルバムと比べても少ないのですが、その少ない曲にかけた時間たるややはり膨大なものでした。一つの曲を四回も五回も作り直すという行程は、自分のような直感型のコンポーザーにはそうある経験ではなく、久しぶりなりの苦悩がありました。しかしそれでも折れずに自分の曲を追い求めていくことは、自分のそういった能力の再確認にもなりましたし、普段やっているインスト書きにも確実に跳ね返ってくる経験であったように感じます。
ニコニコでの活動については、いつもの動画投稿や生放送に続き、「リアル生放送」と称した弾き聞かせの会を設けることができました。オリジナル・ライブに比べてニコニコ側でそういったリアルの場でのコミュニケーションが欠けていたことについてはずっと物足りなさを感じていて、M3でご来場いただいた方から「オフ会のような場を提供して欲しい」という提案をいただいたこともあり本格的に実現に乗り出す運びとなりました。運良く築地の音楽室が年内の休日に空いていて、アイディアがホットな内に開催にこぎ着けられたのは幸運だったように思います。来年も動画と生放送に加えて、こちらの「リア生」も継続的に開いていければと思っています。

来年やりたいこと

書いてしまえば追い立てられてやる気も起こるだろう作戦。

  • オリジナル・アルバム新譜

M3-2013春での新作アルバム発表を計画中。今回はどちらかというと『MOVE』のように、ピアノインストをメインにいろいろな表情の曲を収められればと思っています。まずは2月予定のライブでの新曲披露から、一気にボルテージを上げていきたいところです。

オリジナルが一区切り付いたら、ニコニコでのゲーム音楽アレンジにも新しい形態を持ち込みたいと考えています。ちょうど演奏動画の投稿数も100本に差しかかりつつありますし、今までのピアノソロ即興を続けつつも、もっと個々の曲の本来の音色を活かしたようなピアノ・インストアレンジを作りたい。つまりオリジナルやニコニコ時報アレンジ動画のように、バックサウンドと合わせたアレンジをゲーム音楽においてもやりたいと考えているわけです。即興性の強い「演奏してみた」は生放送でのメイン・スタイルとし、動画はもう少し作り込んだ完成度の上げたものを作りたい。もちろんそれで時間をかけるあまり投稿ペースが落ちてしまうのも考え物なので、オリジナル・アルバム制作におけるスケジューリングのノウハウを持ち込んで継続的に作品を投下できるような年に出来れば、一層面白いかなと思っています。

あっという間に過ぎてしまったような一年でも、振り返ると「あれ?これって今年やったことだったっけ?」という遠大さを感じるのは…なんだかんだ言っても一年の内にちゃんといろいろ実現出来ているのだと信じたい。あとは来年も同程度以上の濃密さを保てればと思う次第です。
いつも音楽活動のことしか書いてないのでたまに音大事務の仕事の方を書くと…社会人になって三年目、今の部署は二年目。まだまだ新米ですが、少しずつ責任のある仕事も任されるようになってきています。音楽の道に進もうとする学生たちと、そのほとんどがその道では食べていけないという事実を目の当たりにしながら…自分が選んだ「中庸」という道の正しさを祈りつつ、二重に能力を発揮できることのメリットを十分に感じつつ。他の人より多少歩は遅くとも、来年も着実に進んでいきたい。一介の兼業音楽家に過ぎませんが、皆さんに楽しんでもらえるものを引き続き作っていきたいと思っておりますので、よろしければ今後ともお引き立ていただければ、これに勝る喜びはありません。
それでは、来年もどうぞ宜しくお願いいたします。