liberty 2
    New Album "COMFORT 2" 2023/4/30 release


ここに来てプログレか

三日遅れですが、あけましておめでとうございます。新年一発目の更新は過去曲復刻の第二弾まで待とうと思っていたんですが、書きたいことが見つかったのでこちらを先に。
昨年末にはまった『双界儀』、作曲は菊田裕樹氏ですが、彼のバックグラウンドはプログレであることが段々分かってきました。彼の音楽はいろいろな要素(民族音楽など)が盛り込まれているため、ちょっと聴いただけでそれがプログレとは分かっていなかった…というか、そもそもプログレに関してあまり知らないことに気づきました。桜庭氏の音楽などを通して、激しくて攻撃的で、変拍子が多い…くらいの印象しかなかったので、ちょっと調べてみることにしました。

参考リンク:プログレッシブ・ロック(Wikipedia)

プログレッシブ」とは、本来、「先進的」・「前衛的」というような意味だが、プログレッシブ・ロック・バンドという場合、そのアルバムや楽曲などが次のような特徴をもつものをさすことが多い。
・アルバム全体を一つの作品とする意識の徹底(コンセプト・アルバム)
・大作主義傾向にある長時間の曲
・歌が短く演奏重視で、インストゥルメンタルの楽曲も多い
・複雑な曲構成(変拍子などの多用)
・芸術性を重視した曲作り
・クラシックやジャズ、あるいは現代音楽との融合を試みたものも多く、高度な技術を有する
シンセサイザーやメロトロンを楽器として高度な使い方をしているものが多い
・今までにない独創的な音楽性(あるいは既存のプログレバンドの音楽性から強く影響を受けている)

「演奏重視」「高度な技術を要する」というのは、いかにも納得でした。プログレを称される曲はテクニカルなものが多いし、プログレを好んで演奏する後輩は根っからの技巧派です。自分も演奏をするときはどちらかというと技巧派(ただしヘタ)で、自分が表現したいものとして「技巧」は比較的意識していると思うのですが、たとえば『LIBERTY』を聴くとピアノ作品集以外はあまりそういう側面を持っていない。つまり打ち込みでは(リアルタイム入力や演奏録音を用いない場合)技巧の要素があまり出てこない…。僕はどちらかというとクラシックやアコースティックな音楽が作りたいのですが、同時にパワフルな音楽が作りたいということに『双界儀』を通して気づきました。この「パワフル」というのが即ちプログレの要素なのではないかと思います。そしてそれは、演奏であれ打ち込みであれ、技巧的な演奏(ドラムスの変則的なリズムや激しく動き回るベースライン、ディストーションギターやハモンドオルガンのソロなど)その辺りによって得られてくるのではないかと。
ここで面白い話があります。かつて光田氏にはまったとき、彼のバックグラウンドを探る内に民族音楽の流れでZABADAKに行き着いたのですが、上の記事を見ると日本のプログレ・アーティストの欄にやはりZABADAKの名が(!)。ここで再びつながるとは何かの縁でしょうか。ZABADAKは中期に民族音楽色を強めるのですが、初期の作風はプログレとされています(ギターの吉良知彦さんのバックグラウンドがプログレ)(ZABADAKインストゥルメンタルの楽曲も多い)。ZABADAK初期作品に限らず、『双界儀』と同じ感動が得られる可能性のあるプログレを、もう少し注目してみようかと思った次第です。