M3-2022春 終了報告
4月24日(日)M3-2022春即売会におきまして、"新譜"(楽譜+CD)『Sonata Positivo』(ソナタ・ポジティヴォ)を発表しました。
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新譜といいつつ、2008年のアルバム『LIBERTY』収録曲の復刻という形ではありますが、楽譜を出すのは初、CDはShoko Izumiさんによる新録音ということで、新譜と同等のエネルギーを注がれています。
初めての楽譜ということもあり販売形態から手探りでしたが、即売会・通販とも梨地小判抜き袋に入れてのお届けとなりました。通販はバター工房オンラインショップにて取扱中(この記事の執筆段階で僅少ながら在庫有)。
前回の『Sonatina della luna che corre nel cielo』(空駆ける月のソナティナ)の後に「次はクラシック路線の伸長かピアノ・インストの回帰のどちらか」と書きましたが、結果的には前者となりました。それも楽譜メインという新しい形態で!
これだけ活動が長くなってくるといつものやり方(シングルCD)に落ち着きがちですので、時折こうやってHow toから見直すというのも大事になってくるかもしれませんね。
というわけで、新譜(楽譜)です。誰得とも思いますが、ソナタの皮を被ったロック・ピアノの複雑なリズムがどのように書き表されているか。
— VUTTER (@VUTTER) 2022年4月16日
是非、新録音を聞きながら、紙面上で確かめてみてください。
#M3春#バター工房 pic.twitter.com/5SUQEQygzq
楽曲の詳しい解説はどこかで別途やりたいと思いますが(追記:下記リンクにアップしました)、概観としては23ページ(演奏時間は10分6秒)に及ぶ大作。ソナタ・アレグロ形式というクラシカルな楽曲構成を取ってはいますが、その中身は和声的には完全に古典を逸脱、ビートもロック、構成自体も一つ一つの主題やフレーズの尺はかなり自由に変形しながら扱われ、初めてソナタを書く身としてはいささか自由にやりすぎたという反省が無いでもありません。もちろん、22歳にしか出来ない怖いもの知らずぶりも、楽曲の味だと思いますが。この点は先の「ソナティナ」でもう少し自制的な(かつシンプルな)楽曲を書いたことで少し後ろめたさが和らぎましたが、まああちらも親しみやすい曲調でクラシック音楽を好む方の胸を打つ作品とはまだまだなり得ないところとも思います。自分の場合、結局そうなってしまうのかもしれませんけど、ね。
偶然にも今回のM3では私の敬愛するヴァイオリニストの壷井彰久さんも自身のトリオ「オオフジツボ」の楽譜を出されていて、その壷井さんですら柔軟に「CDだけの販売」も用意されていたというに…私は今回は楽譜がメインと譲らず、売上度外視で臨んでしまったのですが。思いのほか、今まで通りお手に取っていただけたのは意外な喜びでした。自分の作りたいものを曲げない大事さを思い直しましたが、一方でその姿勢だけに甘んじてしまっては皆さまの心に響くものを作れなくなってしまうでしょう。
次はおそらく楽譜にはならないと思いますが、どういう形にせよ独りよがりになりすぎず、新しい刺激をお届けしていきたいですね。また、しばらくクラシックに寄り続けましたので、ここいらでガツンとしたピアノ・インストに回帰したい思いもあります。
改めてご来場くださった皆さま、また通販にてお手に取ってくださった皆さま。ありがとうございました!