2021年総括
1/16 Keita Kawabata LIVE(下北沢)
昨年予定されていたライブの延期公演。映像を再生しながらバック・サウンドとピアノの融合というこれまでのスタイルを確認するような場となりました。そして、コロナ禍によりオンライン配信が多くなったなかで久しぶりのリアルの場での演奏。その喜びと意義を実感する一方で、映像と音楽を合わせた表現にはまだまだ向上の余地がある。それを高めるための試行の場として、またオンラインに帰るという循環が考えられそうです。
4/25 新譜アルバム『LIBERTY 2』
ソリッド・ピアノの集大成であるmissingの次のアルバムということもあり、次にどのようなスタイルを打ち出すかという試行錯誤のなかで生まれた表現の幅の広いアルバム。非常に自由度が高いので、たとえばM3即売会の映像上映スペースで終曲のSolid Blastのプログレッシヴ・サウンドを好いていただけたとしても、アルバムのなかでそのスタイルが聞けるのは一曲だけ…というようなネックもありました(すすんでダウンロード販売の単曲購入を勧める商売っ気のない私)。古い楽曲の掘り起こしなども収録した一方で、新しい楽曲のなかにもOval 35のような力のあるチューンもあり、これらは告知配信での演奏にとどまらず今後も披露の機会を持ちたいところです。
脈絡はないですが「真白なる朝」の消え入るような冒頭。
10/31 新譜シングル『Sonatina della luna che corre nel cielo』(空駆ける月のソナティナ)
アルバムを経て次なるシングルの一作目はクラシック・スタイルの小曲。2011年のChamber Rockのリプロダクションも収録し、小さいながら濃厚な2曲となりました。
映像音楽
この執筆時点で完成してはいませんが、映像音楽の仕事を二つ担当しました。(中略)一つはdaybreakのサウンドに通じる高品質でクラシカルな音楽、もう一つは一転芸術性の高いサウンドトラック。
昨年の総括から引用。この前者はYKK AP クリエイターズワークス 辻󠄀秋之監督作品 ショートフィルム『ふたりの窓』として。
【定期】YKK AP クリエイターズワークス
— VUTTER (@VUTTER) 2021年12月19日
辻󠄀秋之監督作品 ショートフィルム『ふたりの窓』の音楽を担当しました。
窓を考える会社 YKK APと次世代を担う若手クリエイターが創る「CREATORS WORKS」。
4分半のショートフィルム作品、YouTubeにて全編ご覧いただけます。https://t.co/wMeT5XhZly pic.twitter.com/6qZGzIwvYm
後者は吉本興業×岡山県玉野市 地域発信型オムニバス映画 蔦哲一朗監督作品『たまの映像詩集 渚のバイセコー』として、ともに本年日の目を浴びることができました。
【お知らせ】
— バター工房 batakobo (@batakobo) 2021年12月10日
吉本興業×岡山県玉野市 地域発信型オムニバス映画
蔦哲一朗監督作品『たまの映像詩集 渚のバイセコー』の音楽を担当しました。 pic.twitter.com/XlId8p78Yc
ほぼ同時期に異なる音楽性の映像音楽を創作することは簡単ではありませんでしたが,逆に同時期だからこそ相互に作用しあってそれぞれの個性を伸長する方向に進むことができたとも思います。
まとめと展望
未だ収束せぬコロナ禍ではありますが、ライブ、アルバムに加え昨年制作していた映像音楽のリリースなど、一定の成果を残せた一年と思います。これの継続も大事ですが、少し違ったアングル、異なるチャンネルからの音楽活動を加えていきたいのが今後の一、二年を見据えて思うところです。たとえばM3即売会には必ず音源を出すのか。その他のイベントは考えられるのか。オンラインでのライブはあるのか(グランドピアノの生配信のテストも一度行いました)。映像は、楽譜は…いろいろな候補が浮かぶなかで、まずは2022年に向けて手の出せる範囲から少しずつ、これまでの領域の外に踏み出していければと思っております。
それでは来年もどうぞよろしくお願いいたします。