6/9ライブ、無事終了いたしました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
セットリスト
1. Move II
2. Move
3. 192
MC(BGM: 日常)
4. A Midnight in Sapporo
5. 光の空中散歩
6. 192 III【新曲】
7. Parallel
MC(BGM: 安息のファンファーレ)
8. Invincible II
ED.Intermezzo II
前回のトリオに引き続きEggman Tokyo Eastさんでのライブ。ソロで出るのは最初に出演させていただいたとき以来で、初心に帰ったような気持ちでした。当時から変わったことといえば、2016年5月のLIVE elementscapesのときから続けている背景映像付きのスタイルを今回も継続したこと。あのときも久しぶりのソロで表現方法を随分模索していた記憶がありますが、今思うとあのライブがオリジナル・ソロの基本形を作ったのかもしれません。
トリオのときのような生音の重なりによる豪華さを出すことは叶いませんが、ソロですとバックサウンドと生ピアノのみという構成のシンプルさ、ストイックさが活きます。また、今回はゆったりした曲も比較的多く取り入れたことで、全体で聴き疲れしにくく、いつもよりバランスが取れていたように思います。
ライブ終了しました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!
— VUTTER@3/1新譜発売 (@VUTTER) 2018年6月9日
本日お披露目した新曲192 IIIの発売については、秋M3に新しいアルバムを出して収録できれば…と思っております。しばし続報をお待ちください! pic.twitter.com/KsBCSa12As
以下、各曲について少し書き足しておきます。
1. Move II
ライブの標題一号。ピアノとパーカッションの音色しか使わない点はMoveと一緒ですが、このIIは私としては珍しいピアノ多重録音楽曲です。いずれは動かなくなる自分の体を思うときに、単に柔らかい曲を書くだけではなく、違ったやり方で迫力を出すにはどうすればよいか?日々鍵盤に触って抗ってはいるわけなのですが、それとは別に、違う切り口からのアプローチを試すことも無意義ではない思います。
2. Move
Eggman Tokyo Eastさんの7周年つながりで、当時演奏した曲として選曲。ソロでやるのは大変久しぶりで、記録によると2012年9月以来のようです。ドラムスの音色や、間奏でのパッド的なシンセを加えるマイナーチェンジを施したほか、二番でメロディーを全く弾かずインプロヴィゼーションを挿入しました。時間を置くと、こうした変化を加えることも厭わなくなるようです。
3. 192
個人的に好きな曲なのですが、随分久しぶりの選曲になってしまいました。いかに192 IIの人気に迎合していたかということです…いや、どちらも好きなのですけど。IIはポップ・インストですが、一作目は元々RPGの通常戦闘曲として書いたので、何度聞いても飽きないように作っているぶん実はそこまで派手派手しくなく、どこかシックさを持った曲ですね。それなのにテンポが192と快速なのが面白い。高音にあった矩形波成分を低音のシンセベース側に移行したり、ストリングスにソロ・ヴァイオリンの音色も加えたりと、これはこれで結構変えています。
4. A Midnight in Sapporo
シングルMove IIのB面。今回のライブの情景描写パートといえます。原曲ではピアノ・ソロでしたが、映像と同期する都合もありシンセサイザーをふんだんに用いた曲調にがらっと変えました。ライブで初めてやる曲をここまで大胆に変えてる人はそう居ないと思いますが、まあ原曲はCDで聞いていただけますし、ライブでの一期一会を重視したというところでしょうか。夏の札幌で深夜に電子ピアノを弾いていたら降りてきた曲で、映像に出したような都会ではなく暗い郊外でひっそりと出来上がった曲ですが、案外きらびやかな夜景にもマッチしていたように思います。
5. 光の空中散歩
今回のライブで一番古い曲で、ライブでやるのは実は初めて。元々はこの位置にChamber Rockを予定していましたが、この後の新曲がアップテンポなのに激しい曲をそんなにやっても仕方ないという判断で変更。A Midnight in Sapporoの夜景の表現に引っ張られて、この曲に行き着きました。原曲からピアノを抜き、あるべき音を補完しながらメロディーにユニゾンするなど、幾分即興的に広げながら表現しました。なお、この曲の標題は北海道のトマムにあるスカイウォークに着想を得ています。
6. 192 III
新曲。実は2016年の秋頃には生放送で部分的に弾き始めていましたので、その時点で楽曲の構成はほとんど決まっていたことになります。今回のライブのために整形し始めて、あっという間に出来上がったので自分でも驚きました。それだけ曲のイメージが明確だったのでしょう。ベースラインやサビへの入り方は192、ポップ・インスト的な性格は192 II譲りといえます。練習していても随分楽しい曲で、舞い上がらないように自分を制するのが大変でした。前二つが情景描写だった分、幾何学的な映像が好対照を生みます。
7. Parallel
「スローテンポな代表作」。交わらない平行線を抱えながら生きていく人生観の楽曲。このコンセプトに関連させるならPARALLELのアートワークを活かした映像にすべきところですが、今回はこの楽曲が生まれた一端でもある徳島・祖谷の風景映像をバックに、曲の持つ壮大さと自然とのマッチングを強調して仕上げてみました。
8. Invincible II
ライブの標題二号、そして「アップテンポな代表作」。煩悶を抱えながらInvincibleな状態に向かう意思の楽曲。ヴァイオリンの使用箇所を絞りながら、要所にベースサウンドも加えながらのライブ用アレンジ。ヴァイオリンが映えるべきところでは引き、ピアノが出るべきところでは出…というバランスを意識しました。
ED. Intermezzo II
演奏後のエンドロールに合わせて、前曲と同じく春の新譜から。Intermezzoの一作目はLIBERTY収録の古い曲で、ピアノとオーケストラの大きな編成でしたが、こちらはピアノとヴァイオリンのデュオです。小難しい曲を多く書いてしまいがちなので、意識的に平易な曲を目指して作りましたが、この素朴な雰囲気がライブの最後に良い余韻を与えてくれます。
次は、Move II、Invincible IIといった近作から、新曲192 IIIまでを含むアルバムを作りたいと考えております。最近のペースに当てはめるならば次のアルバムは2019年4月ということになるのですが、曲の草案は揃っているので早ければ今年の10月に出したいと考えています…さて、どうなるか。そして、この新譜は一つ前のアルバムdaybreakと違って演奏効果が高いですから、やはりライブを実現したい。いずれもまた、面白いもの、皆さまの日常のアクセントになるようなものをお届けに上がります。