M3-2017秋 終了報告・新譜シングル『Move II』各曲コメント
M3-2017秋終了しました。台風接近で足元の悪いなかご来場いただいた皆さま、作品を手に取ってくださった皆さま、差し入れをしてくださった皆さま。ありがとうございました!
新譜シングル『Move II』を発表させていただきました。最近の販売実績と雨の予報から少なめに生産しましたが、ちょうど即売会終了の1時間半前に完売。興味を持ってくださったのにお手に取っていただけなかった方を生んでしまい、申し訳なく思います。今回のMove的な世界観はしばらく続けていくつもりですので、ライブ、次の新譜、また将来的にはアルバム収録の形で、また気付いていただけるようにコンセプトを成熟させていきます。
各曲について
- Move II
そんなわけで、7年ぶりのMoveです。192シリーズのように意識的に曲調を似せているわけではありませんが、硬質なピアノ、ミディアムなテンポ、心機一転のコンセプト等々、共通するところは少なくありません。8月に札幌で書いた曲で、同じく札幌で書いた静穏な曲と併せて2曲収録となります
— VUTTER@3/1新譜発売 (@VUTTER) 2017年10月22日
曲調としては、むしろChamber Rockに近いかもしれませんね。Moveに共通点を見出すとしたら普段あまり使わない7thコードの使用による多少のジャズ・フレーバーといったところですが、積極的な共通点とは言いにくいでしょう。ですから、ツイートに書いたなかではコンセプト面が一番タイトルに通じているかと思います。また、ピアノ一台で弾けないアレンジになっているところは好みが分かれるかもしれません(私も昔はそういうアレンジは好まなかった)が、自分が演奏する以上、重きをおいているのは洗練よりも個性です。その部分を伸長させるための一手と思っていただければ…といってもまだまだ全然至りませんので、もっと大胆な変容を遂げた曲も、一曲くらい書いておきたいところです。
マルチアングルの映像は私がゲリラ的に行ったのでクオリティは凡ですが、M3スペースでiPadで流しておいたところそれなりに目を引いていたように見受けられたので、案外無意義でもなかったかもしれません。音の完成度を高めるのはもちろん重要ですが、そこに傾注しすぎると多くの方が目にする要素、楽曲のライブで映える部分であったり視覚的要素であったり、そういうものを蔑ろにしがち。そこは気をつけていきたいところです。
- A Midnight in Sapporo
A Midnight in Sapporoは、まったり睡眠導入系のピアノソロです。聞きようによっては少し厳かにも聞こえるかもしれません。夏の涼しい札幌の深夜、音量最小に絞ったピアノを弾いていたらスッと生まれてきました。
— VUTTER@3/1新譜発売 (@VUTTER) 2017年10月24日
今回のシングルは2曲とも札幌の実家で素案を書いたのですが、Move IIよりもこちらの曲の方が1日早くできました。今記録を見ると8月11日とあるので、まさしく夏ですね。以前作曲したLost Hopeもそうですが、深夜に書く曲というのはやはり独特の緩やかなテンポ感を持っています。四音の伴奏型がそのまま主旋律のモチーフにも通じていて、ミニマルミュージックというには少々有機的すぎますが、そういう捉え方もあって良いかもしれません。現実の地名を入れた曲は今まで無かったように思いますが、この曲には不思議と入れたくなりました。確かに、あの時期のあの場所だからこそこの曲調になった、という印象はあります。