liberty 2
    New Album "COMFORT 2" 2023/4/30 release


【CDレビュー】谷岡久美『Sky's The Limit』

谷岡久美さんの6曲入りオリジナル盤で、アーティスト活動第一弾のピアノアルバムと銘打たれています。M3-2015春にて購入。たまたま自分の後ろのブースが谷岡さんだったので得もせず簡単に入手できたのですが、なかなかの名作です。

谷岡さんの音楽はチョコボの不思議なダンジョン2で初めて触れて、その柔らかな世界観と良質なメロディーは今でも大きなフェヴァリットの一つです。続くファイナルファンタジークリスタルクロニクルでは、古楽器によるアコースティック面での充実が加わり、一層価値の高い音楽を打ち出されたと思っております(在学時代にピアノサークルで流したとき、ドイツからの留学生の子がすごく気に入っていたのをよく覚えている)。この辺りのエピソードをM3等の機会でご本人にお伝えしたい、と思いつつなかなか実現できていないわけですが!

Sky’s The Limit -Kumi Tanioka Piano Album Vol.1-

Sky’s The Limit -Kumi Tanioka Piano Album Vol.1-

 

話が逸れました。すべてご本人の演奏、6曲とも静かな性格のピアノソロ曲です。最近表舞台に出られる際にはピアノというイメージが付いている谷岡さんですが、その積み上げて来られたピアニズムが結実した印象です。先の光田さんの20周年ライブで谷岡さんがアレンジされていて風の憧憬を聞いたとき、まさしくこのアルバムの音楽性と同じものを感じました。あのピアノが琴線に触れた人にとっては、この作品も心に響くものがあるのではないかと。

ちょっと変な見方かもしれませんが、個人的な印象としては日本語のタイトルがつけられた4曲は調号のシャープ、フラット数が多い調性で書かれており、幻想・神秘感、浮遊感の強いサウンド(タイトルの「空」に通じるような)、英語タイトルの2曲は逆にシンプルな調で、少し焦点がはっきりしたような、景色が浮かぶような、そんなに遠大な情景ではなく近景を見ているような、特に終曲の「Sky's The Limit」(上の動画で使われている曲です)では夢見心地に聞いていた心情をふっと現実に戻してくれるような、背中を押してくれるような、そんな「色」の違いを感じます。

しかしこのアルバムが税込1,300円というのは、少々安売りされすぎでは!一般的なジュエルパッケージではないにせよ、内容的には特段クオリティが低いわけでもないですし。消費者としてはありがたいですけどね。ともあれ「第一弾」と銘打たれているわけで、今後の続編が楽しみなところです。曲が溜まったらコンサートを打たれるとか、楽譜を出されるとか、そういう別の展開もあってほしいですね。

ところでスペシャルサンクスにサラ・オレインの表記があるのですが、どういう経緯なのかちょっと気になるところです。