7/22ライブ終了
初ワンマン打楽器コラボライブ無事終了しました。たくさんの方にご来場いただき、充実したステージになりました。ありがとうございました!
セットリスト
■1st stage
- Chamber Rock
- Windy Night City Light(piano solo)
- からの花瓶
- リベルタンゴによる即興
- Solid Work II
- 誰がための歌(piano solo)
- Move(with drums)
- Friction(with drums)
- Les fetes(with cajon)
- 192(with cajon)
■2nd stage
- Morning of Celebration
- シラノハ
- クノハ
- 【新曲】感傷と夜想
- Secret Sacred(piano solo)
- Invincible(piano solo)
- メカニカルベース(TSS solo)
- 【新曲】Float Emotion(with drums)
- Aim Toward(with drums)
■アンコール
- ニコニコ動画の時報をシリアスにして弾いてみた(with drums)
所感
長丁場でした(笑)。2008年3月のソロコンサートでも同じくらいの時間は奏破したはずなんですが、オリジナル曲の割合が多かった分バイタル消費が激しかったですね。それでも指がこなれてきたのか、後半に行くにつれてアンケートでの好評率も上がっているような印象でした。
前回よりもコラボ曲数は増えましたがまだレパートリーが少ないので、ピアノソロ含め見せ方については(またワンマンの機会があるときのために)磨いていければと思っています。その点では後述の「メカニカルベース」のような新しいやり方を試せたのは収穫でした。
各曲について
長くなるので書こうか悩みましたが、かいつまんで。
Chamber Rock
自分の追求すべき楽器編成を模索する中で「室内楽ロック」のキーワードが浮かんだときに出来た曲であり、冒頭の和音もピアノ五重奏でチェロが主張するような音というイメージがあります。結局はピアノソロとなったこの曲、昨年5月のつくばライブにて当時観客だった山脈さんはこの曲を一番にコメントしてくれた覚えがあります。やたらと忙しい動きをする指に自分と共通するものを感じ取られたのかもしれません。
Windy Night City Light(piano solo)
ドの音を四分音符四つで並べる伴奏型から発展させたピアノ・ソロ即興にて。思えばFF5ピアノコレクションズの「街のテーマ」あるいはショパンの雨だれ辺りが着想のベースと思われます。
からの花瓶
人から花をもらった思い出についての曲。
リベルタンゴによる即興
2008年3月のソロコンサートでも取り上げたリベルタンゴ、実は自分の即興は結構原曲とは異なったコード・メロディの運びをします。原曲をご存じの方にとっても分かりにくかったかもしれません。
Solid Work II
無機的なリズムの連続の中に時折弾けるような明るさを見せる曲。分かりやすい曲を多く書くようになった今ではすっかりスルメ曲の部類になってしまいました。ある意味では無印Solid Workよりも好きな曲です。
誰がための歌(piano solo)
サビのコード進行は後に「Aim Toward」に引き継がれることになります。
Move(with drums)
原曲がピアノとリズムトラックのみであり、VUTTER with 山脈さんの編成の基礎となった曲。前回のカホン版も良かったですが、やはりドラムスの方が原曲のベクトルに近いため魅力の増大をストレートに感じ取ることができます。途中のリムショットやサビ前の一発ハイハット等、原曲で気に入っている部分を山脈さんに可能な限り再現してもらいました。
Friction(with drums)
ボス戦闘BGMの範疇を超え、人間関係の摩擦についての意味合いが一層主張され、深い意味合いを持つようになったかもしれない曲。MCで困ったときにはFrictionといえばどうにかなるような流れが生まれたかもしれません。山脈さんのドコドコに耳が行きがちですが、注目すべきはサビでのロールを交えたスネア・リズム。原曲のオーケストラルな要素を盛り込んでもらえました。ループ前のタム回しブレイクは山脈さんの発案。回を重ねるたびに勿体ぶるようになっていくのでしょうか。
Les fetes(with cajon)
前回の192でも原曲のウドゥ・リズムをカホンに置き換えていたため、同じくウドゥを持つこの曲が自然と候補に上がってきました。伴奏型のシロフォンを再現するか悩みましたが、結局一年前の歌コラボ版と同じくシンプルなピアノ・リフで組み上げました。
192(with cajon)
手拍子を入れていただきました。手拍子については観客参加の楽しみがある一方で曲がじっくり聴けないというご意見もあり難しい面もありますが、ただ一つ言えることは手拍子のおかげで二人は演奏しやすかったということです。山脈さんは吹奏楽の経験だと手拍子で弾きやすくなることはあまり無いそうでしたが、狭い箱だったため良い効果が生まれたのかもしれません。
Morning of Celebration
ライブハウス形態での初ライブとなった2010年12月ライブ以来の選曲。途中不穏ともいえる和音が現れる曲なのに「祝典の朝」と名付けたのはどういうインスピレーションだったのかと時々自分で訝しく思うこともありますが、それを生み出したのは自分自身という不思議さも引っくるめてのネーミングなのだと思います。
シラノハ
前回に引き続いての選曲。クノハとはセットの曲であり、いくつかメロディーを共有しています。
クノハ
生放送で弾いているので気づきませんでしたが、生の場で披露するのは初演だった2007年1月の大学コンサート以来だったかもしれません。フォルクローレとのコラボで演奏したSayera、ジャズのスウィングなど、いろいろなリズムを動員しています。
【新曲】感傷と夜想
日本語タイトルは婉曲的なものを多く用いてきた割にはストレートな案だったので他にないかと思いましたが、結局これに落ち着きました。曲としては静かなバラードですが、真ん中で一気に熱を帯びた爆発的なメロディーの歌い上げに転じ、最後はまた静かになってそのまま曲を閉じます。Gentle Sorrowのような曲の、即興でないものを作りたいという気持ちがありました。
Secret Sacred(piano solo)
前曲の感傷に引っ張られての曲順。何度も書いていますが、短調と長調の交換から成るこの曲は短調の部分のみを書いて止まっていたものを、悲しい気持ちが生まれたときに長調の部分を一気に書き加えて完成した経緯があります。
Invincible(piano solo)
前回ライブと同じくピアノソロでお届けしましたが、今回はスローではなく原曲通りのテンポとしました。Secret Sacredの長調部分がラスサビ前に現れます。
メカニカルベース(TSS solo)
山脈さんの提案により、原曲の音源を流してそれにTSS(薄型のマーチング・スネア)をかぶせる形でのパフォーマンスで実現。ピアノが唯一休める場でもありました。前回のマーチング・スネアより音は小さいはずですが、客席が近かったため相変わらずの迫力を呈していました。
【新曲】Float Emotion(with drums)
ハイテンションのまま最後まで駆け抜けるうえに変拍子が混ざる至難のナンバー。ピアノのリフも左手に無理をかけるようなものになっており、そろそろ今後もちゃんと弾き続けられるような曲を書くべきではないかと自問するわけですが、このギリギリ感から生まれる魅力もやはりあるという答えが返ってくるばかり。勢いがあるので聴きやすく感じる割には、実はほとんどメロディーが無いためポップ要素は欠乏しています。Float Emotionは浮き立つような感情という意味のほか、このアンバランス加減による行き場のない浮遊感、ある種の危なっかしさをも含んでいるかもしれません。
Aim Toward(with drums)
この曲もFriction同様、曲の持つオーケストラルな部分をドラムに補填してもらったところがあります。ピアノ・ソロだと無理の多い曲なので、いろいろな楽器に分散することで魅力が増大する可能性を秘めた曲ではないでしょうか。分散のさせすぎにだけ気をつけたいと思います。
ニコニコ動画の時報をシリアスにして弾いてみた(with drums)
どうにか山脈さんにもう一曲叩いてもらおうと一週間前に急遽セットリストに加えた曲。ただユーモア要素が強い選曲のため行き場をなくし、ワンマンならアンコールが出来る!ということでこの位置に収まりました。動画内コメントでいただいた「バンドでやってくれ!」を実現できたのを嬉しく思うのと、ニコニコ経由でリアルの場に足を運んでくださった方への恩返しになっていたら良いなと思う次第です。