3/17ライブ終了
打楽器コラボライブ無事終了しました!ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
セットリスト
■ピアノソロ・パート
- Invincible
- シラノハ
- Chamber Rock
- アランフェス協奏曲 第2楽章
■打楽器コラボ・パート(ゲスト:山脈さん)
- Friction
- マーチング・スネア・ソロ
- 192
- Move
所感
今回は初の打楽器奏者との共演ということで、ピアノソロ・パートと打楽器コラボ・パートの二本立てでお送りしました。基本的には静→動の流れを意識しましたが、練習を重ねるうちに静かな曲を三曲続けて弾くのが難しかったことと、聴く側にとってもちょっと大変かなということで、実際はピアノソロの段階で既に躍動感溢れる感じになっていたかもしれません。
思い切って普段入れている打ち込みを排し、完全なアコースティック・ステージにしたことで、いつも概ね好評をいただいている「音楽性が豊かで聞き飽きない」部分がなくなってしまうかと懸念していたのですが…実際にはそんなことはなく、予想よりも遥かに良い意見が聞かれたので逆に驚いたくらいでした。初めての共演で慣れていない部分もあるのに、です。山脈さんがテクニシャンということもあり、その魅力によるプラスも計り知れないとは思いますが、特にライブという場ではやはり生楽器という部分に大きな意味があることを再認識するステージだったように思います。今後打ち込みを捨てるわけではありませんが、アルバムとライブという二つの場でどのようなサウンドを選んでいけばいいのか…ということが朧気ながら見えてきました。
山脈さんは4月から遠方に行かれてしまいますが、果たして今後はあるのか?続報をお待ちください。
各曲について
Invincible
不沈の決意よろしく疾走感溢れるバンドサウンドが持ち味の曲ですが、今回はピアノソロで。打ち込みで分厚く攻めている曲をピアノソロでやる、というのを今回一つは入れたくて、「Aim Toward」「Windy Night City Light」などの候補に打ち勝ちこの曲が選ばれました。直前の練習時には予定より激しくなってしまい、自分でいかんいかんと思いつつ曲順リストに「Invincible(柔らかく)」などと書いておきましたが、実際の演奏ではそのときより抑えつつもやはり一定の激しさが出ていたように思います。
シラノハ
アルバム『COMFORT』収録のピアノソロ。穏やかな曲想とは裏腹に左手の伴奏型が極端に弾きにくく困る曲なんですが、久しぶりに弾きたくなったので採用しました。最近こういう穏やかな曲を弾いていなかったのと、同じ穏やかな「からの花瓶」よりも明るめのサウンドということもあり、今回のピアノソロ・パートの中では一番人気だった印象があります。この曲が出来た動機は救いたい人がいるのに救えないもどかしさみたいなもので、そういう意味では切ない曲なんですが、そういった感情から曲を作ると明るめになることが多いのが不思議です。
Chamber Rock
当初の予定には入っていなかった曲です。静かな曲を3曲続けると発狂しそうになったので、自然な感情としてこの曲が弾きたくなってしまいました。早くハジけたくてウズウズする感情を抑えながら入らなくてはいけないので大変です。例によって熱の入った演奏になってしまいましたが、それでも中盤のワルツ部分は随分冷静に弾くことができるようになりました。
アランフェス協奏曲 第2楽章
2008年にやったソロコンサートで「ボレロ」等のクラシック曲を即興アレンジしたものが好評だったこと、耳馴染みのある曲を入れたかったこと、後半戦に入る前のクッション役の曲が欲しかったこと…などがあり、試験的にセットリストに入った曲です。元々がギター協奏曲なので近代クラシック曲なのですが、その後のアレンジの方が有名なのでクラシック曲としてアナウンスしたことに違和感があった方もいらっしゃったようです。即興の後半でChamber Rockのモチーフと絡めたことがお客さんの混乱を招きましたが、混ぜるのはともかく馴染みのある曲を入れるのは割と良かったかな?と思います。
Friction
RPGのボス戦闘BGMでありながら、曲の出来た動機は当時の職場での人間関係のもつれに対する捌け口という(笑)、バックグラウンドが豊富すぎる曲。対立していた人に対する憤怒の念がなければ、あの激しい叩き付けるようなリフは生まれていませんでしたので、何が役に立つか分からないものだなと思います。今回はマーチング・スネアと混ぜたことにより一層とんでもない曲に。マーチング・スネアはそれ自体が主張の強い楽器なので、もう今回は「アクの強い料理」をお出しする冒険のような選曲でした。単にマーチング・スネア・ソロをやるだけでは見えなかったことがたくさんあったので、結果的にやって良かったと思いました。でももう耳栓しながらの練習はしたくない
192
原曲でウドゥがやっているリズムを元に、山脈さんにカホン・リズムを組んでもらいました。スピード感のある曲なので、生楽器でやると一層躍動感が出ましたね。「これが本来やりたかった音なんですね」と言われたのは残念ながら間違いで、アルバムで打ち出した音色・楽器選び(出来れば打ち込みの音は生でやりたい、ということは別として)があくまで僕のイメージなんですが…オリジナル・イメージより魅力が出たのがやはり生楽器の力なんだとしたら、今後はその魅力を一層引き出せるようにアレンジのスキルアップと奏者集めに励むのが進むべき道かな、と思いました。
Move
コラボのきっかけになった曲。原曲にもカホンが入っています。ドラムスが入っているのになんでカホンを入れたのか自分でもよく分からないのですが、その選択のおかげで今回カホン・コラボが実現することになったので、何が役に立つか分からないものだなと思います(二回目)。この曲は決して簡単ではないんですが上記のどの曲よりも弾きやすいので、完成度の高いステージをお届けするという意味では没個性を避けつつもこの曲の持つ「弾きやすさ」を意識しながら作曲に臨みたいと思っております。気がつけば随分ライブ寄りの人間になってますが、打ち込みによるアレンジや作曲も変わらず続けているので、「武器が増えた」程度に思っておくことにします。