liberty 2
    New Album "COMFORT 2" 2023/4/30 release


著作権侵害を受けたので応戦してみた話

YouTube上で著作権の侵害を受けたため、運営に報告するというのをやってみました。

事のあらまし

内容としては他者がニコニコ動画におけるVUTTERの演奏を自分の演奏と騙ってYouTubeにアップロードしていたもの。コメントが幾つか付いていたとはいえ再生回数はさほど多くないためあまり事を荒立てるつもりはなかったのですが、その演奏の中に自分のオリジナル曲が含まれていたのがどうしても引っかかったため(コピー投稿された動画は20本ほどで内1本だけオリジナル)、将来的に同じようなことが起きたときの予行演習にもなるかと思い行動を起こしてみることにしました。曲は「Invincible」。コピーした映像に全く違うタイトルを付け「いつもはカバーを弾いているが今回は自作の曲を上げてみた」という種の投稿者コメントと共に上げられていました。ちなみにこれだけだとVUTTERの主旨と全く同じですから事前に断りのない代弁的転載と見れないこともないのですが、他の方がされてる転載のように「from sm10501088」のように出典を明記したり「私の演奏ではありませんが…」と断りを入れたりすることはなく、付けられたコメントについては「作曲にあたってこういうところを工夫した」というような返事をしていたため、単なる転載ではなく完全に自分が作ったものと称して扱っていることが明らかと判断しました。
動画の下にある「不適切な動画として報告」のボタンを選択、理由を「著作権の侵害」とすると、専用フォームから詳細を送るように言われたため、違反対象動画・権利を侵害された動画・侵害内容・電子署名…等々を揃えて送信ボタンを押しました。しばらくして通知確認のメールが届きましたが、当然の権利を行使したという気持ちはあまりなく、何か一つでも誤りがあったらどうしようと冷や冷やしていました。

ちょっと意外な結末

報告から二日経って、運営からメールが来ました。コンテンツを削除したとの旨。

「KEITA KAWABATAさんの申し立てにより…」と大書されると自分まで悪者になったような気分でしたが、まずは問題なく申請が通ったことに胸をなで下ろしました。
しかし意外なことが分かりました。違反動画を上げた主のアカウントにアクセスしてみると…

画像が小さくて見えにくいですが、違反主のアカウントが停止されたと書いています。理由は、複数のユーザーから著作権侵害の申し立てが寄せられたため、とあります。あまり深く見ていませんでしたがどうもVUTTERの演奏以外にも著作権を侵害した動画を上げていたようです(楽曲か、あるいはゲームプレイ動画等なのか分かりませんが)。僕が報告をする前にはアカウントは生きていましたから、かねてから企業から違反報告を受けていたアカウントが一個人からも申し立てられたことにより、これを契機に運営側がアカウントを停止したということなんだと思います。詳細が分からないのでもしかしたら本当は違う事情かもしれませんが、とにかく、明確に権利を侵害されたオリジナル曲についてのみ違反を申し立てたけど、結果的にはそれに限らず違反主アカウントのアップロードした全ての動画が削除されたということになります。

所感

オリジナルだけでなくゲーム曲のカバー演奏についても「自分の演奏」と主張し、幾人かのファンを集めていた違反主に対して煮え切らない気持ちがあったため、結果的にその全てが運営に「削除対象である」と認められたことは良かったです。ただ、権利者の申し立てによる削除の旨が明記されたオリジナルとは違い、他の動画はアカウントの停止による削除としか表記されないため、ファンの人にとっては納得の行かないように映るかもしれません。権利者側の行動に間違いはないので変な意味に取られていないといいな、と願うくらいしかできないのですが。海外のアカウントだったこともあり、企業ならともかく誰とも知れない一個人の権利者を進んで調べる人も居ないとは思いますが、願わくば僕の演奏なりに辿り着いて期待していたサウンドを享受していただけたら良いなと思います。
あと、こういう違反を平気ではたらく人にとっては、アカウントを変えて同じことを繰り返すのも全く容易だと思います。そういうのをまた見つける機会があったら今回と同じ措置を取るつもりではありますが、出来ることなら自分の力で聴衆の反応を得る楽しみに気づいてほしいなと思います。自分で創作は出来なくともMADや作業用BGMのような他者の創作を元にしたものでさえ、センスのある人にかかれば一種の創作のような素晴らしさを発揮することもありますからね。そうでないならばちゃんと演奏者や作曲者を明かして紹介していただきたいものです。