daybreak
New Album "daybreak" 2017/4/30 release


サラウンド製作による心境の変化

前記事のサラウンド製作のために、大学のProToolsに入れてもらった「Mix 51」というプラグインで作業をしています。

Mix 51

左上にある照準器みたいなものを各パートごとに設定して、ストリングスは左右、ベースは真ん中、SEは後ろ…などというようにサラウンド・パンニングを施すわけですが…。
僕は最初、オーケストラ音源の音をサラウンドで配置して生のホールのような音響が再現できないかというアプローチで臨みました。しかし良く考えてみたら、普段ホールで聴くオーケストラの演奏というのは基本的に前からしか音がしないわけで、サラウンドよりも普通にステレオで作ってしまう方がよほど「らしく」聴こえるのです。試行錯誤によっては何か効果が出るかもしれませんが、先生から疑問符を投げかけられたこともあって、サラウンド音楽の特性を活かしているとは到底言えないと思うに至りました。
結局、楽器編成を一から構築し直すことにしました。オーケストラルな楽器を大幅に減らし、パーカッションやシンセサイザー音を中心に据えました。最近自分が精進を重ねてきたものとは全く異なるスタイルなので、自宅でステレオで仮製作しながら何度もこんなバラバラで良いのかな?と思いましたが、大学でサラウンドでモニターしてみると少なくとも当初の編成よりは大幅に良くなりました。そもそも楽器が後ろから鳴るというのは普段聴いてる曲では有り得ないわけで、普通と全く異なるアプローチをするぐらいでないと良い結果は生まれてこないのでしょう。前記事を書いたときは見通しが利かず途方に暮れていましたが、ようやく何とかなりそうなところまで来ることができました。
サラウンド製作は非常に特殊なシチュエーションであって、今後作る機会はしばらくないと思いますが、今回の製作は何より自分が生音にかぶれすぎていたことに気づけたのが大きかったように思います。シンセサイザーが予想外に暖かく響くこともあれば、シンセによって生音が際立つこともありました。もちろん生音のための音楽を書くことは非常に知識を要するので、今後も過剰なくらい勉強していかなくてはいけないのですが、自分の活動で気楽に打ち込みをする分には("Into the Deep"のような完全シンセの曲でなくとも)もっとシンセサイザーを編成に加えても良いのかな、と感じました。


悟ったようなことを書きましたが、上に書いたことは実はこのときと正反対の結論でもあります(笑)。結局は生音とシンセの両方を使えて、かつ上手く融合させられるようになれれば、ということですね。