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elementscapes
        最新アルバム「elementscapes」2015/4/26 release

【CDレビュー】FINAL FANTASY XIII-2 オリジナルサウンドトラック

何故今FF13-2…という感じですが、音楽面の受容が減ったとは言っても一年レビューを書いていなければ書きたいことは溜まってくるもので。時間のある年始のうちに一つずつ書き留めておくことにします。

FINAL FANTASY XIII-2 オリジナル・サウンドトラック

FINAL FANTASY XIII-2 オリジナル・サウンドトラック

 

 

2016年初頭はFF13シリーズを三作通してプレイすることができました。FF13については元々サントラをじっくり聞いていたので、CDレビューではなく音楽面を中心としたプレイ後記として記事を書きましたが、FF13-2は音楽自体ほとんど触れていなかったので、いつものCDレビューの体で行こうと思います。とはいえゲームの中身にも多少触れますので、未プレイの方はご了承ください。

メインコンポーザーは浜渦正志さん、水田直志さん、鈴木光人さんの3名ですので、コンポーザー別に触れていこうと思います。

水田直志さん

水田さんの曲は正直今まであまり聞いてきておらず、FF11のバトルテーマや、ユニット「スターオニオンズ」の試聴を聞いたことがある程度でした。そんな体でいざ受容してみると、予想を裏切る、想像以上に多種多様なサウンドを繰り広げられています。

 

(動画9:56~)

主人公セラの最初の戦闘シーン。オープニングで後述の女神の騎士(浜渦さん作曲)を聞いた後なので、ガラリとテイストの変わった曲が来たな、と感じます。世界観自体がFF13とは随分違いますし、序盤からいきなり巨大な敵が登場するインパクトにも良く合致しています。戦闘にシフトするタイミングもよく練られており、この辺りの演出はFF13に続いて洗練されてきていますね。

同じような感覚は、後の「衝突する世界」(動画2:02~)でも感じました。まだ序盤なのに何でいちいち敵がこんなにデカいんだ!みたいな(笑)。こちらはラップが入っていて、サウンド的にも混沌度が一層高まっています。

あと余談ですが、動画3:50~を観ていただけると分かるようにFF13-2はムービー中にコマンド操作を求められる「シネマティック・アクション」という演出があります。プレイヤーの操作でムービーが分岐するというのは結構画期的だったのではないかと、個人的には思っているのですが。

 

旋律にノエルのテーマが入っていることからも単発の楽曲ではない思い入れが感じられますが、流れるシーンはそんなに多くないのが残念。個人的にはFF13-2の水田さん楽曲でも指折りの名曲と思っています。FF13の閃光をリスペクトしたとも思われる、ヴァイオリンを活かした疾走感溢れるナンバーという体ですが、イントロからも分かるとおりエレキな要素であったり、後半のジャズのソロ回しのようなフリーさも盛り込まれた佳作。

 

  • 不可視の侵略者


(動画27:50~)

ビルジ遺跡のBGM。最初のネオ・ボーダムはチュートリアルのようなものなので、次のビルジ遺跡が最初のダンジョンと呼んでよいと思うのですが、それにしてもこのサウンド!ボーカル!FF13一作目とはあまりに異なるサウンドに、正直最初は戸惑いも大きかったのですが…後になって思うとそれだけ世界観が立っていたというか、雰囲気の変化を上手く表現していたのではないかと思います。

ところで上記の動画からも分かる通り、FF13-2、モンスターを仲間に加えることができます。モンスター毎にロールが決まっているので、個人的には6人のキャラのロールを自在に組み合わせることが出来たFF13一作目の方が好きだったのですが、周囲の意見を聞くにモンスターが仲間に出来ること自体に魅力を感じる方もいらっしゃるようですね(まして二作目ともなると、知っているモンスターも多いですし)。

 

カイアスとの戦闘で流れる、オーケストラにラテン語合唱も入った壮大な曲。思えばFF11のバトルテーマはオーケストラ調でしたし、私の水田さんのイメージは本来こちら寄りでした…とはいえ合唱が入るとまた別の難しさがありますし、こういうのも書けてしまうのか、と素直に感嘆いたしました。もっとも、ライナーノーツを読むに大変な難産だったそうですが。

 

アルカキルティ大平原のBGM。FF13とはマップが違うわけですが、曲も全然違います。ノーマル版はボーカル曲ですが、この曲はアグレッシヴ・ミックス(FF13-2のフィールド曲はすべて、敵が近づくとリズムトラックやビートが激しくなったAggressive Mixに差し替わる)がヴァイオリン・インストかつ調性も大胆に変えた版に差し替わるのがポイントだと思っています。ただ平原を歩いているだけなのに物凄い音楽情報量が詰め込まれていて、仮にも音楽をクリエートする身としてはウワーとなります(笑)。

 

どちらも通常戦闘曲。どちらかというとラストハンターの流れる場面の方が僅かに多いですかね?パラダイムシフトはメロディーがそこまで主張する感じではなくBGM寄り、一方のラストハンターはノエルのテーマの旋律を使っていてより記憶に残ります。もっともイントロが長いので、メロに入る前に倒してしまうことが多いのが残念ですが。

鈴木光人さん

浜渦さん好きとしてはシグマハーモニクスで氏の片腕として登場し、IMERUATでもしばしばお見かけする方という印象の強い鈴木光人さん。彼作曲の音楽を聞く機会はそんなに多く無かったわけですが、異色な曲が多く、個性という面ではこれまた物凄い。ご本人がライナーノーツで書かれている「過剰なビートと過激な静けさ」というのは、なるほど言い得て妙。

 

年代シナリオ選択画面の曲。FF13-2は時空を飛ぶお話なので、この曲をバックに年代シナリオを選択するわけです。そういう意味で耳にする機会の多い曲なわけですが、ボーカルあり、変拍子!と、特徴だらけの一曲です。実は結構長い曲で、簡単にはループしません。後半はちょっとやり過ぎな感も受けますが(笑)。

 

  • 限界突破!


(動画3:07~)
なんという問題作!ヘビメタ風のボーカルはFF10のOtherworldを思い起こさせますが、こちらはいろいろなボス戦で流れ頻繁に耳にすることになります(次作ライトニングリターンズのデッドデューン夜にいたっては通常戦闘曲として聞けてしまう)。ともかく無茶苦茶なのですがゲーム自体もいろいろ無茶苦茶なので(笑)、そういう意味では決してミスマッチともいえない曲です。正直、妙に癖になる。動画の完熟大王戦のインパクトが強く、どうにも奴の面影が浮かんでしまいます。前作から風貌の変わりすぎたスノウとか、いろいろの要素が絡み合ってのこととは思いますが。

ちなみに、同じボーカリストを起用したチョコボのアレンジ曲もあり、そちらの方が問題作とも言えます。プリンセスジブリか!

 

電子音楽環境音楽、光人さんの真骨頂!あの特殊な空間を見事に体現しています。途中ランダムに炸裂するハイトーンノイズが何とも良いですね。

浜渦正志さん

  • 新都アカデミア


(動画0:00~)

FF13から続けてやってきた身としては、初めて「敵が出てこない」「大きな町」に入ったと感じられるのが、ここだったりする。シンフォニックな浮遊感がある一方で細やかなリズムも加えられており、聞き所満載。個人的にも好きな楽曲なのですが、先に述べたような思い入れがプラスされている面もあるかとは思います。

 

  • 女神の騎士

(動画6:40~)

サントラ曲順としては一番最初ですが、記事の最後に持ってきました。演奏動画を投稿したときにも描きましたが、閃光を正統に進化させたらこうなるだろうな、という一曲です。同じエッセンスを持たせつつも、少々ポップさを削ぎ落とし、通好みな要素も入れて、でも何度も聞いても飽きない程度に抑える。見事なサウンドメイキングと思いました。

FF13のエンディングから続けてプレイすると、全く別物のストーリー展開に戸惑いながらのオープニングとなるわけですが、この曲の勇壮さと前向きさにだけ救われたような気持ちだったように思います。動画のライトニング戦闘シーンの他には、ゲーム終盤の一場面でしか聞けないのですが、この曲はそのくらいが丁度よいのかもしれませんね。次作のライトニングリターンズではウィルダネスで通常戦闘として聞ける場面がありますが、この曲の長さだと大抵盛り上がる前に倒してしまう!それもこの曲の希少性を高める一手と捉えるのは、多分考え過ぎとは思いますが。


さて、私が個人的に特筆したい曲を取り上げて来ましたが、偶然にも浜渦さん曲の割合はぐっと小さくなりました。FF13-2は一作目のFF13とは別物の世界観なわけで、サウンド面でも水田さん、鈴木さんの新しいエッセンスが立つべく作られていると思いますので、ある意味これが正しい姿なのかもしれません。ゲームプレイ時はさまざまな戸惑いもありましたが、プレイから少し間を置いた今になってみると、結構音楽を聞き返すことも多いです。

ここまで書いたからには、シリーズ完結作のライトニングリターンズについても書きたいところですが…はてさて。